お子さんの小学校入学。
成長を感じられ、親としてはとても喜ばしいことですよね。
しかし、
- 仕事を続けられる?
- 今のままの働き方で大丈夫?
と不安に感じている方も少なくないと思います。
今回は、そんな不安を抱える方に向けて、小学校2年生のお子さんを育てるSさんにお話を伺いました。
Sさんは、お子さんが生まれてから10ヵ月で職場復帰。それ以降、子どもの成長に応じて働き方や働く時間を変えながらお仕事をされてきました。子育てと仕事の両立に上手く順応されてきたSさんでしたが、お子さんが小学校1年生となり、小1の壁を感じ退職を決意したようです。
小1の壁で悩むワーママさんも多いですよね。
この記事では、小1の壁に直面し、悩んだ末に退職を選んだ小学生ママさんに体験談を伺いました!
以下の内容をご紹介していきます。
- 小1の壁とはいったいどんなものか
- 退職後に感じたメリットとデメリット
- 小1の壁対策にしておくとよいこと
これまで通りの職場で働きながら小1を迎える方にとっても、きっと参考になる内容ですので最後までお読みいただけると嬉しいです♪
小1の壁で退職するまで
これまで、育児と仕事の両立のために働き方を変えてきたということですが、Sさんのこれまでの働き方を教えてください。
《育休明け》時短正社員
息子が10ヵ月になったときに職場復帰しました。結婚前から勤めていて、産休・育休をとらせてもらった職場です。
その職場は、3歳になるまで時短勤務制度がありました。退勤を1時間早められたので、ある程度余裕をもって子どもを迎えに行くことができました。
しかし、その職場は時短勤務でなければ残業必至。
多忙で毎日残業しないと追い付かないような業務量でした。
徐々に「時短勤務が終わる3歳までには職場を変えないと、毎日の生活がまわらないかも」と思い始めました。
時短正社員からフルタイムパートへ
正社員という肩書きがなくなることに不安を感じましたが、その職場を退職することを決意。
本格的に新しい職場を探し始めました。
私は病院に勤めていたので、土日祝も出勤する日がありました。子どもが小さいうちは週末は家族で過ごしたいという思いかが免除されるパートでの勤務を検討しました。
運よく土日祝の出勤がなく他の条件は正社員と同じ、という職場にフルタイムパートとして就職することができました。
しかし、業務量や内容が正社員と同じで、時期によっては残業もせざるを得ず、平日のお迎えがどんどん遅くなっていきました。
条件が良くても、時間的な制約で両立が難しい状況もありますよね。
フルタイムから時間決めパートへ
フルタイムのパートでの勤務はだんだん生活を圧迫していきました。平日はくたくたで余裕がなくなっていき体調を崩すこともでてきました。
そこで上司に、勤務時間の変更ができないか相談したのです。時間決めのパートに変更してもらい、業務量も勤務時間に応じた量に変えてもらいました。
自身のペースに合わせて働くことができるようになり、息子のお迎えも余裕をもって行くことができるようになりました。
少しずつ働き方を変えて、バランスのとれた働き方を見つけられたんですね!
《小学校入学》退職・現在の働き方
子育てと仕事を両立しやすい条件で働けるようになり、小学校に入ってもこのペースなら大丈夫そうと安心していたのですが…。
息子が小学校に入学してから、新たな壁にぶつかり始めました。
入学直後は、学校も学童も楽しんでいっているように見えたものの、6月ごろから「学校しんどい」「学童行きたくない」と言い始めたのです。
原因はいくつか考えられました。
- 登校時間まで待っていると出勤時間に間に合わず、はやく登校させなければならなかった
- 放課後過ごしていた学童で、先生の目の届かないところでのトラブルがあった
- 両親や夫と交代制にしても、送迎が上手くいかない日が出てきた
などなど、さまざまなことが重なり「今働きに出るのは難しいかも」と思うように。
息子の気持ちにじっくり向き合いたいという気持ちもあり、退職を決意しました。
現在は、子どものペースに合わせて在宅で仕事ができないかと模索し、webライターを始めたところです。
職場の環境だけでなく、お子さんへの精神的フォローのため退職される方も多いですよね。すごくリアルな経験談をありがとうございます!
小1の壁で退職して感じたメリット
実際に、お子さんの小学校入学に合わせてパートのお仕事を退職されて「退職して良かったな」と思うことはどんなことでしたか?
気持ちにゆとりが持てる
まず何より、気持ちに余裕が持てるようになりました。
仕事があると、
- 夜はとにかく早く寝かさないと
- 晩ご飯の用意をしてから仕事に行かないと
と、常になにかに追われているような状態でした。イライラして息子にあたってしまったり、睡眠時間が足りず自分が体調を崩してしまったりと家族にとって良い循環ではありませんでした。
慌ただしさにやりがいを感じられれば良かったのですが、私にはそれは難しい。気持ちにゆとりを持つには、ある程度時間的な余裕が必要だと気付きました。
退職してからは、前日の準備や朝の支度にせかせかして不穏な空気が流れることは減りました。気持ちに余裕があることで、家族にもにこやかに接することができたと思います。
在宅でもせかせかしてしまうので(笑)外で働いてお迎えして、のルーティンの大変さは想像以上だと思います…!
子どもの様子がよく分かる
学校や学童では、保育園のように日中の様子の報告がありません。どんなふうに過ごしたかを知るには、息子の話を聞くしかありませんでした。
しかし、帰宅後寝るまでの短時間は、家事などに追われてゆっくり話す時間もとれなくて…。
息子が学校でどのように過ごしているのか分からず、不安に感じるようになりました。
退職後は、学校から帰ってきて一緒に宿題をしたり学校のことを話したりする時間を日常的に持てるようになりました。
何をしたか、先生はどんな人か、話しながら学校生活を想像できるようになったのは嬉しかったです。
また、息子は学校や学童の生活にしんどさを感じている部分もありました。そういう気持ちをゆっくり受け止められたのも、自分の仕事のことを考える必要がなくなったからだと思います。
双方にとって、ゆとりのある時間が取れるようになったのは大きいですね。
急な用事にすばやく対応できる
小さいうちは、突発的な出来事はよくありますよね。
- 「お友達とぶつかってけがをした」
- 「虫刺されをかいてしまって腫れている」
病院に行こうと思っても受診時間を過ぎていて翌日まで待つことになったり、遠くの病院まで足を運んだりすることがありました。
また、小学生になってからは
- 「明日○○を持っていく」
- 「算数ノートがなくなった」
などと翌日までに用意しなければならないものが時々発生します。そのたび「またか…」とげんなりして子どもが寝た後に慌てて用意したこともありました。
めっちゃわかります(笑)
退職してからは、今日解決しないといけない!ということに対して快く対応できるようになりました。小さなことですが、その積み重ねが気持ちの余裕にもつながっていると感じます。
小1の壁でパートを退職するデメリット
反対に、退職して感じたデメリットを教えてください。
収入が減り子どもに使えるお金が減る
最大のデメリットは収入が減ることです。子どもを育てている以上、お金の問題は避けて通れないですよね。
- 子どもが興味をもった習いごとなどにすぐ「いいよ」と言ってあげられない
- 食費など生活費のやりくりに一層気を遣う
- 旅行に行くなど家族の楽しみが減る
など、収入が減ることで選択の幅が狭まることがあるのはたしか。
仕方ないとはいえ「少しでも収入があると良いな」と思っていました。
年齢が上がるにつれて必要なお金も多くなってきます。教育資金などのことを考えると、ずっとこのままでは困るなと思うのが正直なところです。
家族に合わせながらの働き方の、一番の悩みですよね。
生活が学校の予定に左右される
息子が学童に行っていたときは、おおむね毎日同じ時間に迎えに行くことができました。学校の授業自体は早く終わる日でも、そのまま学童に行くから関係ないという状態です。
しかし、退職後は学校からそのまま帰宅するので、学校の予定を把握しないといけません。小学校は、懇談会や家庭訪問、先生の研修、行事の準備などで帰宅時間がイレギュラーになる日が想像以上に多いです。
「今日は早く帰って来るから、朝のうちに用事を済ませないと」と焦る日もあります。「しまった!今日は6時間ない日だった!」とひやっとした日もありました。その日の動きは学校の予定次第で変わります。
また、息子が帰宅後に「○○君と遊ぶ約束してきた」などの予定が入ると、それに合わせて動きます。毎日同じペースで生活するのが難しく、少しストレスに感じる部分もありました。
固定の働き方と違って、在宅だと稼働時間がかなり左右されますよね。朝や夜に作業することも。
社会から離れた不安を感じる
一度キャリアを手放すと、その道には戻れないのではという不安は付きまといますね。私は病院に勤めていたので、戻れたとしてもブランクが大きく、ついていけないのではないかと思っています。
また、「働いていない」ことに罪悪感を抱く瞬間がありました。社会の役に立っていないと感じたり、働いているお母さんをみて「かっこいいな」と思ったりと潜在的には働きたい気持ちもあることに気付かされます。
その時々で優先順位は変わるとはいえ、社会の一員であると感じられることは自分の自尊心にもかかわっていると思いました。母でも妻でもない存在でいられる時間は、とても貴重だと痛感しました。
その気持ち、本当によく分かります涙
小1の壁対策
これから小1の壁に向けて働き方を考えるとすると、どんな対策が必要だと思いますか。
働き方を見直す
まずは、学校や学童について、入学後の生活が想像できるような情報を集めますかね。
それをもとに、入学してからの平日の生活スケジュールを考えます。
「朝は間に合わない」「もう少しはやく退勤できた方がいい」などご家庭の事情に応じて、対応が必要な部分が出たときは早い段階で上司に相談するといいなと思います。
今の働き方で大丈夫という場合も、子どもの入学後困ったら相談したい旨を伝えておくのをおすすめします。
職場によって、どの程度変則的な勤務時間や部署変更などを許容してもらえるかは差があると思います。
前もって相談し、対応が難しいようであれば職場を変えることも視野に入れても良いかもしれません。
収入源に備える
小学校入学以降も今までと同じペースで働けると想定していても、働き方が変わる、退職するなど予定外の収入減に不安を感じる方も少なくないと思います。私も退職時は不安でしたし、今でも心配が尽きません。
収入については長期的に考えることが大切です。状況が変化することで一時的に収入が減る時期はあると腹をくくり、その中でできる収入源の確保を考えるようにしていきたいですね。
例えば
- 在宅ワークを検討する
- 他の家族が休みの日だけパートに出る
自分に合った収入を確保できる方法について常にアンテナを貼っておくと良いでしょう。そのような意識をもち取り組んだことは、のちにもともとの勤務体制にもどったときにも、副業として今後の生活を支えてくれるようになるかもしれません。
頼れる場所を増やす
小学校に入ってから、ピンチ!な事態が起きることが増えました。
例えば、
- 引き渡し訓練ではやく迎えに行かないといけない
- 明日は給食がなくお弁当が必要な日だった
などなど。
まずは頼れる人には頼れる体制を整えておくと、ピンチな時にかなり助かります。
夫とは勤務時間や子どものスケジュールを綿密に共有。
近隣に親や親戚が住んでいる場合は、あらかじめ家庭状況を共有し「こういうときにヘルプを出すかもしれない」と伝え、準備をしておいてもらうと安心ですね。
頼れる人が近くにいない場合は、自治体のサポートサービスの利用について早めに問い合わせましょう。頼みづらいと思うかもしれませんが、最初の一歩を踏み出すと後がかなり楽になります。
身近なことで言うと、すぐに駆け込めるお弁当屋さんを探しておく、なども良いですね。小さなことの積み重ねが今までと違う小学校生活のスタートをきっと助けてくれると思います。
ファミサポさんの送迎など利用しているお友達結構いますね!勇気はいりますが、緊急で動ける方が他にもいるのはかなり心強いですよね
《小学生ママ》今後の働き方
貴重なお話し、ありがとうございました!さいごに、小3の壁・小4の壁…とあるようですが、今後はどのような働き方をしていこうとお考えですか。
私は今後も働き方を柔軟に変えていくと思います。
小学校に入学し、生活が大きく変わりました。
子どもにとっても親にとっても新しい世界で、思いがけないことでつまづきました。今後もたくさんの壁にぶち当たると思います。その中で、ずっと同じ働き方をするのは、私には難しいなと感じました。
現在はじめた在宅ワークは、融通もきき自分のペースで仕事ができるので今の私と家族の生活にはぴったり。
時がたち状況が変われば、その時の自分に合う働き方を模索したいと思います。
柔軟に働き方を考えるSさんから学ぶことが多いです。この度は貴重な体験談を本当にありがとうございました!!!
まとめ
今回は、小2のお子さんを育てる小学生ママのSさんにインタビューをさせていただきました。
小学校入学に向けて小1の壁対策も万全かのように思われましたが、対策していても予定外の事態は起こるのだということを改めて知りました。
先に起こりうることを知っておくと、対策もたてやすいのではと思います。
小学校入学に向けて、退職するメリット・デメリットを踏まえながら、その時のご自身そしてご家族にとってベストな働き方を見つけていけるといいですね。
以下のブログにて、在宅ワークをお探しの方に向けて記事を書いています↓
気になる記事があれば是非読んでみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!